FC2BBS

97480

「下北沢地下道写真」の解析 - きむらたかし@三田用水 URL

2017/04/27 (Thu) 18:04:40

〔「本家」の…〕























下北沢X物語(3266)~下北沢駅の地下道の話を聴く会Ⅱ~
http://blog.livedoor.jp/rail777/archives/52043862.html

の2枚目の「小田急開業80周年記念特集」とのタイトルの写真集
http://livedoor.blogimg.jp/rail777/imgs/a/8/a883fe09.jpg

その右下の「1965年、駅改良工事中の下北沢」と題する写真には、
同ページでも指摘しているように、地下道の入口のような建屋が写っています。

その写真を取り出して正立させたもの(以下「1965年写真」ということにします)をUPしておきます。

Re: 「下北沢地下道写真」の解析 - きむらたかし@三田用水 URL

2017/04/27 (Thu) 18:13:03

〔実は…〕

この「1965年写真」、どうやら…

雑誌「鐡道ピクトリアル」812(2008年12月)号 p.114 の
長内 宏「小田急下北沢駅 島式ホーム・地下通路の遺構」

という記事の末尾
「地下自由通路のなごり」という見出しの部分の終わりの段落に

「なお,2007年5月の小田急広報誌に,下北沢駅の紹介記事があり,ここに1965(昭和40)年の改良工事の写真として,この地下通路の出入口を復活させたと思われる写真が掲載されている.広報誌に説明はないが,駅舎建て替えのため,新宿方の仮駅舎に移ったことから,一時的に地下の自由通路を復活させたのではないかと思われるのだが,ご存じの方は,ぜひ教示をお願いしたい.」

と指摘している写真そのもののようなのです。

ところで、この建屋の向かって右の軒先の、多分雨樋が「だらん」と下がっている光景(青丸の部分。排水のためワザとこうしてあるのかもしれません)には見覚えがありました。

Re: 「下北沢地下道写真」の解析 - きむらたかし@三田用水 URL

2017/04/27 (Thu) 18:15:38

〔パソコンの中を…〕

探してみたら、ありました。

小田急がかつて発行していた広報誌

「小田急だより」33号(1966年発行)に掲載されていた、この写真(以下「1966写真」といいます)。

今から4年ほど前、2013年6月にネットオークションに出品されていたときに、下北沢駅の改良工事の写真は珍しいので、セーブしておいた画像です(こんなことになるなら、落札しとけばよかった)。

詳しい画像解析結果は、次ページで。

Re: 「下北沢地下道写真」の解析 - きむらたかし@三田用水 URL

2017/04/27 (Thu) 18:18:52

〔注目点は…〕




























写真左下の、青丸のところ。

雨樋らしきものの「垂れ下がり具合」がドンピシャで一致しています。

こうなると、1965と1966の2枚の写真、どこをどう撮ったのを知りたくなるのが当然。

手掛かりは、左上の赤四角の中のビル。
当時、小田急下北沢駅のホームの近くにあった、大きめのビルというと、
富士銀行(現・みずほ銀行)か、
第一銀行(現・オオゼキの場所)
くらいしか考えにくい。

で、このビルの写真が、探してみたら、あったのです。

Re: 「下北沢地下道写真」の解析 - きむらたかし@三田用水 URL

2017/04/27 (Thu) 18:27:30

〔この写真…〕

世田谷区立郷土資料館・編「写真で見る戦後復興期の世田谷」同館/2007年・刊 p.28 の、写真番号103「下北沢駅北口 昭和27年3月 北口から北北東を見る。」とのキャプションがついています。

実際、ほぼ中央に「[フウ=風の中が「百」]月堂」の看板が写り込んでいますので、下北沢北口に間違いはないことになります。

この左端のビル、外壁面に縦に柱のような形のでっぱりがあって、その間の奥の壁面に窓があること、正面からみて右端にやや広い平らな壁があって小ぶりの窓があることは、1966年写真と同じ。

したがって…〔次ページに続く〕

Re: 「下北沢地下道写真」の解析 - きむらたかし@三田用水 URL

2017/04/27 (Thu) 18:43:34

〔いうまでもなく…〕

これは富士銀行。

(地図は、図法と住居表示〔当地は昭和39年に住居表示実施のため〕がないことからみて昭和40年以前の
住宅協会地図部発行の「全住宅案内地図帳 世田谷区版」
と推定されます。)

したがって、1965年、1966年写真は、北口にある富士銀行とは、小田急の線路をはさんで反対側の南口方向から北口方向を写したことになります。

と、いうことは…〔次ページに続く〕

Re: 「下北沢地下道写真」の解析 - きむらたかし@三田用水 URL

2017/04/27 (Thu) 18:48:35

〔この地下道は…〕

昭和8年、帝都線(現・京王井の頭線)の開通時に設けられたという2本の地下道のうち、駅の改札外で駅舎の南西にあった、北口と南口を結ぶ「自由地下道」であることにまず間違いないことになります。

(地図は、推定・東京北澤通商店街商業組合・編「町内図」同組合/S09年ころ・刊 の抜粋を上下反転)

したがって、これは「第三の地下道」ではありえません。
そもそも工事中に使うだけの仮設通路のために、既存の線路に下に新しくトンネルを掘る、といったリスクの高い工事をする道理はなく、どうしても必要なら、東北沢6号踏切のところにあった仮駅のように、後の解体・撤収が簡単な、鋼鉄製の歩道橋をかけちゃうはずです。

Q.E.D.

Re: 「下北沢地下道写真」の解析 - 米澤邦頼

2017/04/30 (Sun) 00:28:31

なるほど!
これは間違えありませんね♪
ちょっと鮮明な写真を添付します。

Re: 「下北沢地下道写真」の解析 - きむらたかし@三田用水 URL

2017/04/30 (Sun) 23:24:46

〔クリアな写真…〕

ありがとうございます。
屋根の上の案内看板、何が書いてあるか読んでみたいのですが、あのサイズの網点分解された写真では難しいでしょうね。

しかし、1965写真も1966写真も小田急が保有していることは確実。いつか、機会をとらえて依頼すれば提供してもらえるかもしれません。

まだ、ざっとWeb上の情報を探った程度ですが、
(1)30年代中ごろまであったとか、
  https://www.youtube.com/watch?v=0dFuCaGZSxc
(2)30年代終わり近くまであった
  上記ページへのコメント
  
といった情報が錯綜している模様。

ただ、(2)は、40年ころ始まった駅舎の建替え工事で再開されたときのお話かもしれませんし、(1)も何分戦時中の昭和19年製の安普請となると、30年代初めに改修工事が行われたときに一時再開されたときの記憶の可能性も否定できません。

北口には、
・中学時代には鉄道模型用の塗料を買うために6号踏切近くの西尾塗料店(ただし、たいていは、東北沢駅北の「岡安」というおじいさんのやっている店で間に合った)
・高校時代には「闇市」の中、6号踏切すぐそばの、サイキ画荘という画材屋さん(たいていはホルベインのジンクホワイトかカーマインレッド)
位にしか用がなかったので、めったに木造時代の駅舎は通らなかったのですが、南口の急な階段の踏面(ふみづら)は、木の下地にアスファルトが塗られ、雨の日にはアスファルトの凹みに水が溜まっていたと記憶していますので、何度かは、通行止めにしてメンテナンス工事が行われていた可能性もあります。

米澤さんの尽力で実現した、地下通路南側入口の巡検の模様は、こちら
http://baumdorf.my.coocan.jp/KimuTaka/HalfMile/ShimoUGroad.htm

Re: 「下北沢地下道写真」の解析 - きむらたかし@三田用水

2017/05/02 (Tue) 21:57:31

【自由地下通路北口】

 下北沢駅地下化工事の過程で、いわば瞬間現れた、北口の井の頭線に並行した地下構造物の遺構。

 問題の自由地下通路の北口かと思っていたのですが、どうもおかしい。

 なぜかといえば、当地一帯は、西のいわゆる鎌倉道をピークとして、東の里俗・森厳寺川(≒茶沢通り)に向かって「ダラ下がり」になっています。

 ここまでで判明したように、地下道の南口が小田急線の線路下を、ぎりぎりの高さでクリアしているとしても、そこから水平に地下道があるとすれば、北口のそれがこんな高い位置に来る道理がありません(逆に、この高さで水平に地下道を設けても、小田急の線路と干渉してしまうはずです)。

 この構造物の向かって右の部分は、下北沢駅が橋上にあったとき、改札を通った後、左、左とターンし、階段を下って少し進んだ後、右に曲がって少し進んでから、左・右とシケイン状に曲がった後で、階段を昇って井の頭線のホームに出る通路の床版だったことは、写真右端に築堤の切り欠きが見えることからまず間違いないようなのです。
 しかし、それだけならば、こんな断面が四角い函状に作る必要はありません。

 はて、これはいったい何なのでしょうか?

Re: 「下北沢地下道写真」の解析 - きむらたかし@三田用水

2017/05/03 (Wed) 07:32:55

【別アングルの写真…】

で見ると、赤矢印で示す連絡通路の床版と考えるほか、ないようです。

名前
件名
メッセージ
画像
メールアドレス
URL
文字色
編集/削除キー (半角英数字のみで4~8文字)
プレビューする (投稿前に、内容をプレビューして確認できます)

Copyright © 1999- FC2, inc All Rights Reserved.