〔困ったときの…〕
jstage の、こんな
関 武雄, 可児 利朗, 元山 正「市販アイスクリームの成分検査について(第6回日本薬学大会公衆衛生部会研究報告)」公衆衛生年報 Vol. 1 (1953) No.1 pp,41-43
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jhs1953/1/1/1_1_41/_article/-char/ja/
論文の中に「スマック」を発掘しました。
昭和27年当時の「俗称・アイスクリーム」の成分分析のリポートなのですが、「スマック」は♯15としてその対象になっています。
興味深いのは
・昭和03年の調査結果との対比
スマックを含むかは不明だが、S03当時、乳タンパク質
0.0~1.0%の「安物」 が1個 5銭
1.1~2.0%の「やや高級品」が1個10銭
(p.42)と。西川氏の記憶どおりだったことがわかる。
また、S27当時の「俗称・アイスクリーム」の価格は
最高60円(♯12)
最低10円(♯18)
なのに対し、スマックは
30円(♯15)
なので(p.43「第4表」)、依然「中級品」の面目を
保っていたようである。
・昭和27年当時は、「氷菓子」(いわば「アイスクリームもどき」)と「冷凍乳菓」(同「当時の定義でのアイスクリーム」)との境界線が、乳脂肪分「たったの3%」だったこと
など。
その他、今後の懸案としては
・#15のスマックの成分が、乳脂肪分は比較的低いのに、タンパク質成分が結構高い理由の分析が必要らしい
【追記】もしかしたら、脱脂粉乳をかなり多用していたの
かもしれません。
あれ、当然脂肪分は少ないですが、タンパク質は
残りますし、なによりも「妙な甘さ」がありますので。
ところにあります。
いずれにしても「アイスクリーム」の基準が、今とは全くちがい、「スマック」も今の基準では「ラクトアイス」。「アイスクリーム」には勿論「アイスミルク」の基準にも及ばないかもしれません。
ただ、デンプン、ゼラチンといった「詰め物」というか「増量材」が不検出というところに「ウチは、そんじょそこらの戦後勃興したメーカーとはちがうんだ」という「老舗の矜持」を感じます。